さくほの4つの家の物語
暖かい天然素材の家
機能性を徹底追及して
在賀さん夫妻は首都圏からIターンでさくほに転入し、有機農業を営んでいます。1年の研修期間を経てこの地に家を建てようと決めたとき、一番大事だったのは「暖かい家であること」。
やはり、首都圏にいた人にとってこの寒さは相当手ごわかったようです。そして当然「農家住宅であること」と、妻にアレルギーがあるので「自然素材であること」が条件で した。
耕平さんは何でも勉強して知識を蓄えて問題解決をしていく方なので、家を建てるにあたっても20〜 30冊の本を読み、現場に足を運んで工務店や業者さんの話を聞いたそうです。
そうして、求める家の機能として肝心なのは「断熱性・気密性・換気性」と結論づけました。
断熱材には吹付けの発泡ウレタンを使い、気密性のC値と呼ばれる指標は寒冷地仕様で2.0cm²/m²ですが、「できうる限りの最高値で」と依頼し、結果的に0.5になりました。
それらの結果、1月の厳寒期でも 夜の 時に薪を入れれば、朝起きたときに°Cを保っているという暖かさを実現できています。
床暖なしなのに裸足で過ごせるなんて!すごいです。通気性も確保されている ので、浴室に使った木材もカビたり傷んだりすることなく、ほぼ建てたときのまま。
2階の階段上はくつろぐためのスペースになっていて、大きなソファーと100インチのプロジェクター、本棚があります。
「家が仕事場でもあるので、気分を切り替えられたり、くつろいだりできることは大切です」。
照明も 間接照明を多用して柔らかい雰囲気に。
「家を建てることは、人生や将来を考えること。計画するときも、建てている間も、とても楽しかったです。」と耕平さん。
お話を伺って大変勉強になりました。
2階にはくつろぎスペースとお客様用寝室。
くつろぎスペースは断熱性を多少犠牲にしてもゆったりとした空間にしたくて天井を張らなかった。
2階にもトイレと洗面所を作り、プライバシーを確保。
自宅の隣の倉庫は、収穫した野菜を貯蔵したり、出荷作業をしたりする場所。
秋にはポップコーン用のとうもろこしが干してあった。
冬には外気が-15℃を下回ることもあるが、暖かい家の中はまさに別世界。
キッチンの天板やトイレの手洗いには地元の職人に加工してもらった御影石を使用している。
耐久性の高い瓦屋根。洋風の家と周囲の風景との調和を考えて、青みがかった平瓦を使用している。
ひさしは夏の日差しを遮り、冬の日差しを入れるよう計算されている。広々としたデッキ。冬にはここから星空を見上げることもしばしば。
家のデータ
2010年完成
[家族] 夫婦と愛犬のハルくん、猫のニャンコフスキーさん